2015年3月14日土曜日

pebbleという実験場から見えてくるApple Watchの使い方

pebbleというSmartWatchを使っています。

pebbleは、クラウドファンディングサイトであるKickstarter史上、もっとも多く資金を集めたプロジェクトであり、その金額は1000万ドルを超えて資金が集まり作成されたSmartWatchです。
pebble公式サイト:https://getpebble.com/

すでに第一弾が発売されて結構経ってますが、一般の小売店には出回ってない関係上(実は技適取ってないからだと。)使ってはる方は、なかなか少なそう。

私の場合、2015/01/04に、ついうっかり、公式サイトでぽっちしてしまって、手元に届いたのが01/16。まぁ二週間というところでした。
配送元はシンガポールからということで、まぁこれくらいの日数かかるよなぁというのと、関税の費用支払とかそういう手続きもやったりして、世界規模でコトは動いているよなぁと感じた次第です。

そんな感じで、もう二ヶ月ほどpebble使っているわけで、pebbleってどんなもんやねん?というのを書きつつ、pebbleを使っている感覚から、Apple Watchがどんなふうになっていくかというのを考えてみようかと。




Pebbleってなんやねん?

ものすごいざっくり言うと、スマフォと接続できる時計です。
特徴をかいつまんで説明すると、、、

ハード的な面

  • モノクロ液晶(144×168pixel)
  • 防水(50m)と3000mまでの高度対応
  • Bluetooth、BLE搭載
  • 充電は、専用のケーブルでのみ可能
  • バッテリーは感覚で2日間
  • 加速度センサ、コンパス、明るさセンサ搭載
  • スマートフォンとBluetoothでペアリングをしておいた上で使う
という感じ。
→公式サイトの仕様一覧(英語)(https://getpebble.com/pebble)

スマートフォンとの通信にはpebbleの場合、すべてBluetoothを使っているため、そこまで多くのデータのやりとりが出来る感じはしません。
データを処理するCPUやRAMといったハードスペックも、スマフォと比べると、そこまで高くできてないだろうし。。
ただスマフォよりさらに容積が小さいSmartWatchだと、バッテリーの容積が確保できないので、低消費電力に寄与するBluetooth Low Energyは必須になるだろうなと。
と考えると、BLEを搭載しているiphone4S以降の端末とペアにしないと使えないかなとは思います。
とはいえ、もうそんな古い機種からBLEが使えていたことを考えると、BLEはこれから本格的に面白くなるんだろうなと思っています。

そーなんだー、残念。。というのは、

  • 画面がタッチセンサーではない→こればっかりは費用面と技術面の両面から難しいんだろうなぁと想像
  • WiFiがついてない→スマフォの親機と接続して使う前提だから確かに不要
  • ジャイロセンサがついてない→設計からただ漏れてたんだろうなーと。
  • マイク非搭載→あればあればでいいんじゃない?だけど、腕に向かってしゃべるとか、特撮もの?
とかいうかんじ。まぁしょうがないカンジがするところばかりで、液晶にタッチができればなぁとは思うぐらい。

ソフト的な特徴としては

  • app storeや、Google Playに「pebble Smartwatch」というアプリがあり、その中で、pebble本体にダウンロードするソフトのマーケットがある
  • pebbleのソフトのマーケットは、3rd Partyに開放されている→pebbleのアプリ(https://itunes.apple.com/jp/app/pebble-\smartwatch/id592012721?mt=8)
という感じです。

pebbleで、できることは、こんな感じ。

私がandroid端末を持っていない関係上、これらの所感はすべてiphoneによって得られたものです。
標準で付いている機能として
  • 音楽の再生、停止(Bluetoothでできるアレ)
  • 通知センターの表示をすべて取得、表示
  • アラーム設定
  • 時計画面の入れ替え(pebbleのソフトマーケットからいろいろ取ってこれる)
  • pebbleのソフトマーケットからソフトをDLしてくることで機能を拡張できる
  • app storeやGoogle Playからもpebbleと連携できるアプリをスマフォにダウンロードすることで、よりスマフォのアプリの能力を引き出すことができる
という感じです。

ここで最も面白そうな、pebbleのソフトマーケットからダウンロードするソフトによる機能拡張についてご紹介します。
pebbleのソフトマーケットからソフトをダウンロードすることによって実現することができるようになる「エコシステム」は、以下の3つに分類できると思います。

  1. pebbleのアプリ単体で動作するシステム
  2. pebbleのアプリと、iOSのアプリの協業で動くシステム
  3. pebbleにダウンロードするアプリは不要で、iOSのアプリとBLE通信をするpebbleで動作するシステム


順に補足していきます。
1.は、単純にpebbleだけで動作するものです。
例えば時計とか、計算機、カレンダー等、外部から情報を引っ張ってこなくてもできるようなもので構成されているもの。ほんとに初期のガラケーに入っていたものをイメージしてもらえればいいかなーと。メールがついていなかったぐらいの頃のもの。

2.は、pebble上で動作するアプリが、外部からの情報を必要とする場合で、情報の取得先として、iOSのアプリがある形。iOSのアプリから情報を引っ張ってくるということは必然的にネットにつなげられるということで、大概はクラウドから情報を引っ張ってくる印象です。逆にpebbleから生成された情報をクラウドへ上げる場合もこのパターンが多い感じ。
スマフォとのペアリングが必須なので、必然的にこういう使い方になるものが多くなると思います。
pebble上で実際に動いているものであれば、Evernoteのアプリとか、Up by jowboneとかがあります。

3.はpebbleをただの外部入出力機器とみなしてしまうパターン。加速度センサー付きの小さい外部モニタ+制御用のボタン的に使う感じです。
パッと見た感じだと、RunKeeperとか、Runtasticとかがそんな印象。


こうやって見ていくと、Apple Watchは当分、Apple watch本体にアプリをダウンロードさせる形式ではなく、ペアリングしたiOS端末に入っているアプリのうち、Apple Watchに対応したアプリがApple Watchにダウンロードされる形式になるため、
・Apple watch特有のアプリマーケットは開設されない
・iOSで動作しているアプリのみがApple watchで動作する
と考えられます。

pebbleでいう2.のパターンでのみ動作するという形ですね。
2.のパターンで行っても、iOSのアプリが目立った動作をしないようにすることで、1.や3.の形態を実現することはできるかなと思いますが、無理にやる必要もない感じもしています。

pebbleの実際に出ているアプリは?

さて、そんな中で、3rd Partyにいち早く開放されているpebbleですが、いまどんな感じのアプリが出てきているのかを見ていきます。
これらのアプリから、Apple watchがどんな感じに使われるかを考えることができるかと。

・Evernote

これは完全にpebbleの画面を小さい外部モニタととらえた形。
iOSがEvernoteへアクセスしてノートを引っ張ってきて、それをpebbleに映すという形のパターン。
一瞬だけ見るという用途が良いかなと思うスマートウォッチの使い方としては、何万もノートがあるような方からするとちょっと使いづらいかと。
まだEvernote自体でも試行錯誤中なんだろうなぁと思ったりしています。
ただ、必要な情報だけをちょっと見る、少しだけアクションを伝えたりするというのだと、チェックリストや、リマインダーは使えそうな感じもします→公式blog:英語(https://blog.evernote.com/blog/2014/03/07/evernote-go-introducing-evernote-pebble/)
関連リンク:Pebble向けEvernoteアプリのリリースによって今までにない行動が生まれる可能性

・Up for pebble

pebbleに搭載されている加速度センサから、歩数を計測し、それをjowboneのサーバーへ、iOSアプリから送るシステム。
公式サイトの情報から見ると、Jowboneのバンドとも共用出来る様子。ただしバンドの歩数情報が優先されるみたいです。HealthKitとの情報はどうなってるんだろ。。(公式サイトでのpebbleへのQ&A→https://jawbone.com/kb/articles/up+pebble.html)
このシステムがpebbleに表示されている時に、pebbleを振ると、一週間の歩数の概略が表示されて、もう一度振ると元に戻ります。
ボタンをポチポチ押すのも結構使いにくいので、振ったり、遮光したりといったりいろいろpebbleに意思を伝えるインターフェースだけでも差別化できそう。Apple Watchだとデジタルクラウンとか言うんでしたっけ?ちょっと楽しみ。
加速度センサがついたSmartWatchだと、Jowboneのバンドは不要になるなぁという未来が容易に想像できるシステム。

ただApple watchはまだ生体情報をしっかり取得できるセンサを搭載してこなかったのに対して、jowboneのバンドは、生体情報をしっかり取得できるようなバンドを発表していて(公式サイト→https://jawbone.com/kb/articles/up+pebble.html)、この間に明確な差が作れるかがポイントと思ったりしますが、そのうちAppleに踏み潰されそうとか思うと。。。

・Swarm

foursquareからアプリが分裂して以来、仲間内からは余り良い評価を聞かないfoursquareのアプリ。
iOSから位置情報を取得して、近くのスポットを表示してくれる。
とはいえ、日本語表示に難があるので、とても使いづらいorz..
ボタンで表示されているスポットにチェックインできたりもします。
ちょっとした情報に対して、ちょっとだけアクションを取る使い方。

・PebbGPS

pebbleを、コンパス付きの小さい外部モニタとしてとらえた形。
iOSのアプリのほうで、Google mapにアクセスし、モノクロ化した地図をpebbleへ送るというシステム。iOSの方で、ナビゲーションや、GPSの情報を付加し、pebbleには、何m先をどっちに曲がるとか、今は地図上のどこに居るか?とか、道順など、最小限の情報のみ送る。iphoneを鞄の中に入れておいて、腕時計をチラッと見てナビゲーション情報を知るっていうとても未来的なアプリ。難点は、iOSアプリのデザインがものすごいやる気ないところ(笑)。
簡易
詳細
ちょっと横道に逸れますが今のところ、pebbleで課金をしたことはありません。
ですが、このアプリは、iOSアプリを有料アプリにすることで収益を得ている様子。
他のシステムでは、設定画面にpaypalのDonationへのリンクを張っている物もあったりして、pebbleはいろいろな方法でキャッシュポイントが設定できるなと思います。

・Smartwatch+

細々としたtoolが集まっているようなシステム。
このシステムでできることは
・pebble上での天気の表示
・pebbleでの株価の表示
・iOS上のカメラのシャッターをpebbleのボタンから切る、簡易的なプレビューを見ることができる
・iOSを鳴らす事ができる→iphoneがどっか行ってしまったときに使える
・Google calendar を表示できる
・iOSのGPS情報から移動速度を表示できる
といったかんじで、pebbleをiOS端末から離れたところからでも押せるボタンとして使うとか、通知センターのように使う感じ。

Apple watchと絡めるために、2.のパターンばかり紹介してきましたが、
pebbleのみで動作するアプリ(1.のパターン)も一つご紹介

・QR Generator

iOSのpebbleアプリ上にて、予め固定文字列を設定しておいて、pebble本体では、固定文字列のQRコードを表示させるというシステム。
自分のちょっとした個人情報を設定しておいて、初対面の人に、ぱっとQRコードを表示させたりすると、ちょっと便利。
1.のパターンのシステムですけど、これはこれでいい感じ。

また、3.のパターンのアプリは

・RunKeeper

iOSのアプリが入っていて、pebbleとペアリングが完了した時点で準備完了。
RunKeeper上でワークアウトを開始すると、pebbleの画面がRunKeeper用のそれに自動で切り替わり、経過時間等を表示してくれます。
pebble上にダウンロードできるアプリの数は8個までとなっているため、iOSアプリのみで機能するのはとても便利。
またpebble上で可能なのは、「ワークアウトの一時停止、および再開のみ」で、「ワークアウトの開始、終了」はiOSアプリから行わなければならないというのも、「SmartWatchはリモコン、本体はスマフォ」という思想を体現していると思います。


僕が感じているSmartWatchの使い方

と言った感じで、pebbleで、できることを見てきました。
僕が感じているSmartWatchの使い方というと

・通知センターのバナーに表示されているくらいの情報を、腕時計にこっそり表示する
・スマフォを取り出すということをしなくても、ちらっと腕時計を確認することで、情報の概要を確認することができる
・即座に対応が必要か、そうでないかを、スマフォを取り出さなくても判断することができる
・いつでもスマートに情報への対応が必要かどうかを判断できる

・必要な情報を、少しだけ見て、ちょっとした反応をすることができる
・Yes or Noぐらいの判断や、チェックボックスをチェックするなどができる
・Todoアプリなんかのチェックリストをチェックしていく機能のみを切り出すとか
 →実際、Todoistなんかは3rd partyによる対応アプリありますし。

・常に最新であってほしい情報のみを表示しておける小さなディスプレイ
・時計とか天気とか株価とか。
 →この辺りは通知センターに通じるところも
 →GPS情報やiBeaconなんかと組み合わせると、面白いかも

・スマートフォンに対する画面付きリモコン
 →カメラのシャッターのみをpebbleに移動させることで、リモートシャッターとかはpebbleにはあったりします

・腕につく加速度センサ
 →歩数の観測や、スポーツにおける腕の加速のさせ方の観測、睡眠時の動作のログなど、腕の動きだけでなく、体全体の動きをモニタリングできる

と言った感じの用途が今の時点だと考えられます。
とはいえまだまだ未開の分野。
いろんな可能性がありそうだよなぁとは思います。


ではでは。

0 件のコメント :

コメントを投稿

スポンサードリンク